今回は、コーディネートを考える上で非常に重要になる、”シルエット”について。
コーディネート全体を見て、どんなシルエットに見えるか?ということですね。
今までファッションを解説していく上で何度かお話しましたが、基本的なことなのでちゃんと書いておきましょう。
今後シルエットの話をする必要がある時になれば、「この記事を読んで!」と言えます(笑)。
有名な話なので知っている方も多いかと思いますが、より詳しく具体的に解説していきます。
このサイトはアイテム情報やトレンドだけでなく、メンズファッションの教科書としても機能するようにしたいので、ベーシックな知識もきっちり抑えておきたいんです。
また、今年に入ってから更新頻度が落ち始め、2月に至ってはほとんど更新できませんでしたが、これから徐々に元のペースに戻していきたいですね。
シルエットは何で決まる? 3種類のシルエットを覚えよう
さて、なぜシルエットを意識する必要があるのか?
アイテム合わせ・色合わせが完璧でも、シルエットが悪ければ当然コーディネートとしては失敗。
例えば、ネイビージャケットに白シャツ、グレースラックスといった、”まさにスタンダード”といったような装いでも・・・。
ジャケットやスラックスのシルエットが不必要にダボっとしていたら?
流行に流されない、誰が見ても不正解とは言わない定番の組み合わせですが、それはおそらくオシャレとは程遠いでしょう。
それでは、コーディネートの”シルエット”は何で決まるのでしょうか。
なるべくシンプルに言うなら、それはトップスとボトムスのボリュームです。
冒頭で”コーディネート全体”と述べた通り、靴やバッグなどの小物などももちろん影響してきますが・・・。
いきなり一気に言っても複雑になってしまうので、まずはトップスとボトムスだけ考えてみてください。
シルエットは基本的には3種類。
Yライン、Aライン、Iラインです。
Yラインは、トップスのボリュームが多く、ボトムスのボリュームが少ない。
Aラインは逆に、トップスのボリュームが少なく、ボトムスのボリュームが多い。
Iラインは、トップスもボトムスもボリュームが少ない。
例えば、上下ともに身体にフィットさせることが重要なスーツ。
これはIラインシルエットになります。
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だからスーツを着るとスタイルが良く見えるんですね。
もちろん理由はこれだけではありませんが、それはまた別の機会に。
さらに言えばボリュームとは、サイズ感や面積や色など、様々な要因で決定されるのですが・・・。
これも、ここで全部言っても混乱させてしまうので、順を追って話していきますね(笑)。
さっそく、シルエットの種類ごとに具体例を見ていきましょう。
Yラインシルエット
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トップスのボリュームが多く、ボトムスのボリュームが少ない、Yラインシルエット。
トップスはコートは、シルエットはほんの少しゆったりしているくらいですが、ロング丈なので面積も大きいですね。
上半身には十分ボリュームがあります。
それに対してボトムスのスラックスは細身なシルエットで、ボリュームが少ない。
先ほど”ボリューム”は”色”でも変化すると述べましたが、膨張色はボリュームが多く見え、収縮色はボリュームが少なく見えます。
今回のスラックスはダークトーンなので、収縮色。
なので更に細く見えて、ボリュームも少なくなっているわけです。
靴も同じく収縮色で、スーツスタイルなので当然ですが、スッキリしたフォルムの革靴ですよね。
靴のボリューム感も少ないので、結果として下半身のボリュームがかなり抑えられていて、綺麗なYラインシルエットになっています。
このように、ロング丈のコートを着こなす場合は、Yラインシルエットを作るのが定石になってきます。
現在トレンドになっている”ビッグシルエット”などもまさにそれで、オーバーサイズのコートを着こなすには、このYラインシルエットを意識すると良いでしょう。
「Yラインシルエットと言えばロング丈のコート」というイメージもあるかもしれませんが、それだけではありません。
これからの時期、春夏にはショートパンツを用いるとYラインが作りやすくなります。
http://demandware.edgesuite.net/sits_pod36/dw/image/v2/ABCP_PRD/on/demandware.static/-/Sites-catalog-master-bc/default/dw660355bd/images/large/171MOUTFIT29-E.jpg?sw=625
ショートパンツはもちろん丈が短い分、ボリュームも少なめ。
パンツもスニーカーも膨張色ですが、どちらもそれほどボリュームは出ていません。
また、上半身はアウターを片掛けすることでボリューム感をアップさせています。
このように、同じ装いでも”着こなし”によってボリュームも変わってくるんです。
例えば、アウターのボタンを開けるか閉めるか、これだけでもかなりシルエットは変わってくるので注意が必要です。
コートの例ほど分かりやすくはないですが、これもYラインになります。
Iラインシルエット
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最初に見たスーツスタイルのように、トップスもボトムスもボリュームが少ない、Iラインシルエット。
画像のようなジャケットや、ブルゾンなどショート丈のアウターを着る際に作りやすいですね。
春先や秋口など、ニット1枚のスタイルでもIラインシルエットになることが多いです。
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YラインやAラインと比べるとインパクトはありませんが、比較的どのシーズンでも作りやすい万能なシルエットと言えるでしょう。
Aラインシルエット
http://demandware.edgesuite.net/sits_pod36/dw/image/v2/ABCP_PRD/on/demandware.static/-/Sites-catalog-master-bc/default/dwd5d6b7fd/images/large/171MOUTFIT35USA-E.jpg?sw=960
トップスのボリュームが少なく、ボトムスのボリュームが多い、Aラインシルエット。
画像では、トップスは半袖で面積が少なく、しかもネイビーなので更にボリューム感は抑えられます。
ダウンベストを重ね着していますが、スリムなシルエットなのでボリュームはさほど増えていませんね。
対して下半身は、やや太めのパンツにスニーカー。どちらも膨張色です。
やや太めのパンツといってもワイドなシルエットではないですが、トップスとのボリューム感に差があるので、Aラインと言っても問題ないでしょう。
先ほどはショートパンツを使ったYラインのコーディネートを紹介しましたが、今回はAライン。
http://demandware.edgesuite.net/sits_pod36/dw/image/v2/ABCP_PRD/on/demandware.static/-/Sites-catalog-master-bc/default/dwecd44785/images/large/171MOUTFIT33USA-E.jpg?sw=960
先ほどのショートパンツより太めなので、ボリュームがありますね。
Aラインというのは、細身のパンツが全盛の今ではあまり見られなくなってきたシルエットでもあります。
以前なら、ピタッとしたカットソーに、太めのダボっとしたパンツなどでAラインを作ったコーディネートも定番でしたが・・・。
ですが、実は今後増えてくる、トレンド感のあるシルエットでもあるんです。
勘の良い方は分かると思いますが・・・。そう、ワイドパンツですね。
http://www.urban-research.com/look/2017ss/img/m02.jpg
トップスはショート丈のブルゾンで、ボトムスはワイドパンツ。
足元が白スニーカーなのもポイントで、これによって下半身のボリュームが増えています。
これがダークトーンのスニーカーであれば、足元が綺麗にシュッとまとまってしまって、Aラインは少し崩れてしまうんですね。
色ってほんとに大事なんですよ。
同じくワイドパンツを使った、こちらのコーディネート。
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履いてるのはそこそこワイドなチノパンなんですけど、収縮色である黒のパンツなので、そこまで太くボリュームがあるように見えないですよね。
写真の角度のせいもあるかもしれませんが・・・(汗)。
3種類のシルエットが必ずしも正解ではない
ここまでで、基本のシルエットを3種類紹介しました。
しかし、「必ずこの3つのうちのどれかにしなければいけない!」という物ではありません。
これ以外のシルエットであったり、中途半端なシルエットでも、良いコーディネートはいくらでもあります。
「じゃあ何のためにシルエットを勉強したんだ?」となりますが…(笑)。
この3種類のシルエットを意識してみると、コーディネートが楽になるんですよ。
「この服はどう使えばいいんだろう?」「今日はちょっとスタイルが悪く見えるような?」
といったような困ったときにも、一度基本に戻って3種類のシルエットを意識すると、意外にすんなり解決したり。
だから、必ず知っておいてもらいたかった知識なんです。
最後に、今回紹介したシルエット以外のコーディネートも紹介しようと思います。
こちらのミリタリーアウターにスラックスを合わせたスタイリング。
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アウターはボリューム感に少々劣るミドル丈で、袖もかなり細いのでスッキリしてますよね。
パンツは裾に向かうほど細くなっていくテーパードですが、もも周りは少しゆったりした、まさに今っぽいシルエット。
YラインにもIラインにもなっておらず、言い方は悪いですが、シルエット的には中途半端。
でも、カッコイイですよね。
別に特別珍しいコーディネートではないのですが、「3種類のシルエットでなくとも、オシャレにはなれるよ」ということを言いたかったんです。
モードなスタイルなどでは、上下共にゆったりしているのはいくらであります。
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それらはシルエットが上記の3つ当てはまらないから、失敗コーディネートなのか?
もちろんそうではありませんね。(何も考えずにそうすると、失敗しますが笑)
こういったスタイルが好きか嫌いかは別として、これはこれで正解なのです。
いかがでしたか?
まずは、基本のYライン、Aライン、Iラインをしっかり押さえましょう。
是非、頭の片隅に入れておいてくださいね。
特にまだコーディネートを考えるのに慣れていない方や、体型に自信の無い方ほど、威力を発揮してきますよ。