ユニクロとJWアンダーソンのコラボライン、UNIQLO and JW ANDERSON。
今年も発売開始されました。
この記事では2022年秋冬コレクションのメンズ全型をレビューしていきます。
すべて試着してきたので、その感触をしっかりお伝えしますよ。
発売日の10月14日には、Twitterに簡単なレポートを投稿しましたが、ここではもっと詳しく解説していきますね。
総評
まず最初に全体の印象について述べると……。
ぶっちゃけあまり期待してなかったのですが、なかなか良かったです。
正直、予想以上でした。
JWアンダーソンコラボの特徴はデザイン性にあると思うのですが、それが良い方向に働いていましたね。
デザイン性って裏目にでることがけっこうあるのですよ。
とくにユニクロレベルの素材でデザイン性のある服を作ると、安っぽく感じられてしまうことが多々あります(もちろんユニクロの素材は値段からするとあり得ないくらい良いんですが)。
あと多くの人が同じデザインの服を着るので、ユニバレもしやすいし。
しかし今回は「これなら着たいな」と思えるものが多かったです。
ユニクロUに足りない要素を補ってくれるイメージ。
ユニクロUって基本的に、良い意味で地味なアイテムが多いですからね。
ただですね、「絶対に〜〜は買わなければならない」というアイテムはないですよ。
たとえば今回の目玉商品である「トートバッグ」。
後述する通りこれかなりの良品ですが、すでにいくつかお気に入りのバッグ持ってる人でも買ったほうがいいかと言われると、どうだろう。
お金を出せるならもっと良いものはいくらでもあります(当たり前ですが)。
とくにバッグは長く使えるので、ファストファッションで買うメリットは相対的に低いかなと思います。
だから「トートバッグ」買えなかった人も落ち込まないように(笑)。
というのも発売後、店舗でもオンラインストアでも、すぐに売り切れてしまったんですよね(とくにブラウンとオリーブは争奪戦だったようです)。
さっそくメルカリでは、高値で転売されはじめています。
しかし間違っても、高いお金を出してまで買うようなものではないですね。
それからニットやシャツにも良品が多かったのですが、こちらも気が乗ったらでいいですよ。
たしかにオススメはしますが、デザインのある服ってどうしても各人の好みによるところが多いので。
誰がいくら褒めていようと、自分が気に入らないものを無理して買う必要はないです。
まあ、もちろんこんなことを言いはじめたら、ユニクロUにだって、他のブランドにだって、「絶対買わなければならないアイテム」なんてないですけどね……。
さて、それでは個別にアイテムレビューしていきましょう。
まずはアウターからやっていきます。
アウター・ジャケット
パデッドハーフコート
最近人気が出てきているハーフコート。
ここ数年ロングコートがずーっと人気だったので、それに食傷した人たちを中心にハーフ丈がトレンドになってきています。
と言ってもこちらは、着丈が短く、ボリュームもさほどあるわけではないので、実際は少し着丈長めのブルゾンと言った印象。
見ての通り、かなりカジュアルなコートになっています。
生地だったり、シルエットだったり、カラーだったり、ワーク風のデザインだったり、あらゆる面でカジュアルに寄せています。
とはいえステンカラーのおかげで、完全にカジュアルにはならず、上品で小綺麗なイメージを保っているとも言えますね。
要するに、使いやすそう。
しかし使いやすさで言えばユニクロUから出ているブロックテックコートのほうが絶対上だからな……。
でも実物を見ると、思ったより良かったですね。
シルエットが綺麗だし、生地も光沢のあるコットン生地でいい感じでした。
ちなみに次に紹介する「パデッドショートブルゾン」はナイロン生地なので、まったく異なります。
中綿が入っているので、そこそこ温かいです。
これで真冬も乗り切れるかと言われるとわかりませんが。
それからカラーですが、ブラウンもオリーブも落ち着いた色味で、案外悪くなかったです。
黒やネイビーが展開されておらず、ただでさえカジュアルなアイテムなので使いづらいかなと思っていたのですが、これならある程度大人っぽく着られそう。
特別オススメというわけではないですが……。
今回のアンダーソンコラボのアウターの中では、いちばん良いかなと思っています。
パデッドショートブルゾン
こちらはフライトジャケットをベースにした、ショート丈のブルゾン。
同じく中綿が入っています。
しかし前述の通り、生地はまったく異なります。
こちらはシワ感と光沢感のあるナイロン生地で作られています。
価格のわりに高級感がありますね。と言っても「価格のわりに」。
色気のあるイタリアブランドがよく用いるような、光沢の強い、見るからにラグジュアリー感のあるナイロン生地ではありません。
無論、プラダは言うに及ばず。
ドメスティックブランドで言えば、ナイロン生地のアウターといえば、ATON(エイトン)などが思い浮かびますが、もちろんそれにも及びません。
ナイロン生地のショートブルゾンという発想自体は良いと思うのですが……。
ユニクロの価格帯でそれをやっちゃうと、正直どうかなぁ。
こういうスポーティなアイテムって、高級感のある素材で作るからこそ面白いわけで。
ユニクロレベルの素材で作ると、どうしても「ただの安っぽい服」に見えてしまう。
価格から考えると相当頑張っていると思うので、言いにくいのですが。
シルエットもあまり良くないですし、正直これを着こなすのはかなり難しいんじゃないかな……と言わざるを得ないです。
着こなす自信のある方以外は、購入推奨しません。
ウルトラライトダウンパーカ
ユニクロお馴染みのウルトラライトダウン。
ただしキルティングの模様にデザイン性を持たせることによって、インラインの商品とは区別を持たせています。
しかしそうは言ってもな〜。
やはりどうしてもユニクロに見えてしまう。
ウルトラライトダウンってユニクロの代名詞なので……。
インラインのものよりは、ユニバレしづらいかもしれないけど……。
一応、黒を選べば着られないことはないと思います。予想していたよりもかっこよかったですね。
逆にオリーブやブルーはやめておいたほうがいいかと。
フードなど、首まわりのシルエットはかなり綺麗なんですけどね。
やはりこういう「いかにもユニクロ」なアイテムは、相当高級感のある素材を使わないとユニクロに見えてしまうことは避けられないと思います。
トラックジャケット セットアップ可能
アンダーソンコラボでも出てきました。トラックジャケットです。
今シーズンのユニクロUでも展開されていましたが、今トレンド真っ盛りですよね。
こちらは切り替えで後ろ身頃のカラーを変えた、デザイン性のあるアイテム。
とはいえグレーであれば同系色でまとめているので、そこまで目立たないかと思います。
しかしこのトラックジャケットも、生地が安っぽいんですよね……。
先ほどから、素材が〜生地が〜と言ってばかりで申し訳ないのですが。
普通のジャージのような生地ではなく、滑らかなコットン生地を使っているので、少しでも綺麗目な印象にしようという努力は伝わってきます。
しかしそれでもいつものユニクロらしいというか、化繊感が拭えていない。
シルエットはわりと細身でかっこいいです。
しかし「タイト」というわけではなく、今のトレンドにマッチしたゆったり感も確保されています。
とくにジップを上まであげて着るのがかっこいいですね。襟が高いので、コートの中に入れるのも相性抜群です。
それだけに、これで生地も良かったらな〜と思ってしまいますね。
以上、アウターのレビューでした。
ちょっとネガティヴな意見が多くなりましたが、ここから先は良品が多いですよ!
ニット
スフレヤーンフェアアイルセーター(長袖)
出ました。柄ニット!
インラインやユニクロUではこういう柄物少ないので、嬉しいですね。
最近は柄ニット、トレンドになってきています。
フェアアイル柄という、伝統的な柄をチョイスしているのも評価ポイント。
柄物って、変にデザインをいじると安っぽく見えたり、胡散臭く感じられたりするんですよね。
よく見るとJWアンダーソンらしいアンカー(錨)のマークが入っているのですが、そこまで目立ちません。
スフレヤーンといって、ふんわりやわらかい素材が用いられています。
ウールも僅かに入っているのですが、ほぼ化繊なので生地に高級感はありません。
ポリウレタンが入っているからか、少しもちもちした質感。
嬉しいことに、これは着てもほとんどチクチクしなかったですね。
先日のユニクロUのときにはラムウールのニットがチクチクして着られず、仕方なく購入を見送ったのですが……。
シルエットはごく普通のユニクロのニットという感じ。
おじさん臭く見えてしまう危険性があるので、1~2サイズあげたほうがよさそうです。
生地の質だったり(見るからに安っぽいというわけでもないけど)、シルエットだったり、たしかに欠点はあるのですが……。
しかし4000円でミドルゲージの柄ニットが買えるのであれば、そういった短所よりも長所のほうが上回る気がしますね。
一枚で着ても存在感がありますし、インナーとして使うのもオススメです。
冬のコーディネートは地味になりやすいので、こういった柄物を1点投入するだけで印象がガラッと変わりますよ。
色は黒がオススメ。
私は無地のアイテムを選ぶことがほとんどで、色も黒やネイビーが多いのですが、こちらの黒なら着てみたいなと思えますね。
メリノブレンドニットポロシャツ(長袖)
ニットポロもトレンドのアイテムです。
こちらは襟にカラーラインのデザインが入っているのが特徴。
ただしこれ、「メリノブレンド」とあるように、エクストラファインメリノ(ユニクロが得意とするウールの高級素材)ではないんですよね。
45% アクリル, 35% 毛, 20% ポリエステルと、化繊が多めの素材が使われています。
なので「エクストラファインメリノで作れよ」と思っていたのですが……。
しかし実物を見ると案外悪くない。
上品な艶のあるエクストラファインメリノには及ばずとも、まあそれに近いっちゃ近いレベルまではいっていると思います。
ボタンもわりと高級感があって安っぽくありませんでした。
チクチク感も特になかったですね。
サイドスリットがあるおかげか、Lサイズで着てもぜんぜんおかしくありませんでした(私はユニクロのニットはXLでちょいゆるくらい)。
しかしもう1サイズ上げてXLにしても良いかもですね(店頭にはないサイズなので試していませんが)。
襟にカラーラインが入っているので、無地のニットポロよりスポーティな印象を受けますが、グレーを選べばシックでかっこいいと思います。
スポーティながらも上品。遊び心のある大人の服って感じ。
逆に、レッドはまだしも、ブルーを着るのはちょっと難しそうです。
ただしユニクロ、インラインでは同じく4000円で、エクストラファインメリノのニットポロやニットシャツを出しちゃってるからな……(オンライン限定商品ではあるけど)。
まだ持っていない方には、そちらの方がオススメですね。
これも普通に良いアイテムだとは思うのですが。
シャツ
フランネルシャツ(レギュラーカラー・長袖)
フランネルチェックシャツ(レギュラーカラー・長袖)
フランネルチェックシャツ(レギュラーカラー・長袖)
シャツは3つまとめてレビューしますね。
すべて柄の入ったネルシャツ。
チェック柄だったり、クレイジーパターンだったり、その両方だったり。
生地やシルエットはどれもほとんど(あるいはまったく)変わりません。
チェックシャツは商品ページが2つありますが、よく見ると同じチェック柄でも若干異なり、片方はアシンメトリーになっています。
それと「フランネルシャツ」は胸ポケット1つですが、「フランネルチェックシャツ」は両胸にフラップポケットが付いています。
いやー今回のシャツはなかなか良かったですね。
どれも綿100の良質な生地を用いており、ボタンにも高級感があります。
そのクオリティでもってデザインを入れているので、安っぽくなっていないんですよね。
セレオリくらいのクオリティには見えると思います。
ただし身幅はそこまで広くなく、レギュラーフィットに近いので、ワンサイズあげるのが正解です。
こういうシャツはジャストサイズで着るよりも、ややオーバーサイズ気味に着るほうが絶対に良いので。
無地のシャツ以外も試してみたいという方にオススメです。
ボトムス
シューカットジーンズ
ボトムスの中でいちばんのオススメがこれです。
「シューカット」と呼ばれる、裾が広がったタイプのジーンズ。
現在、シューカットやブーツカットを含むフレアパンツはトレンドになっています。
嬉しいことに、フレアパンツには足を長く見せてくれる効果もありますね。
これは裾が靴に被さり、足と靴の境界線がわかりづらくなるからなのですが、ユニクロ商品ページの着用画像では足首がもろに見えてしまっている……。
でも実際に穿くと、ちゃんと靴にかぶさるので大丈夫ですよ(もちろん足の長さにもよるので試着推奨です)。
実はユニクロ、今年の夏にインラインでもシューカットのジーンズを出しています。
それが名作「フレアジーンズ 」。
これめちゃくちゃ良いアイテムなのですが、人気のグレーはすぐに完売しちゃったんですよね……。
私は出遅れたにもかかわらず奇跡的に希望のサイズを買えたのですが、今だとほぼ不可能だと思います。
もともと在庫も少なかったんでしょうね。再販もおそらくこの感じだとなさそうです。
なので「フレアジーンズ」のグレーを買い逃した方にも、この「シューカットジーンズ」はオススメ。
こちらのほうが少しフレア感強めかなとも感じましたが、いずれにしても広がりすぎておらず、フレアパンツ初心者の方も抵抗なく穿けるかと思います。
オススメはもちろん、ダークグレー。
と言っても、実際はほとんど黒に近い色味をしています。
「JWアンダーソンコラボは柄物ばっかりで苦手なんだよな〜」という方にも、ぜひこちらのアイテムはチェックしていただきたいですね。
※記事執筆後、オンラインストアの在庫状況を確認すると、ダークグレーは全サイズ完売状態となっておりました。すみません……! 再販されることを祈りましょう。
コーデュロイパンツ
コーデュロイ生地のパンツは先月発売のユニクロUでも出ていましたね。
ただしシルエットはかなり異なります。
ユニクロUがわりと太めだったのに対し、こちらはけっこう細め。
と言ってもスキニーのような細さではなく、今の時代に合った、適度にゆとりのある細さです。
それからこちらにはセンタークリースが入っています。
どちらを選ぶかは、好みの問題ですね。
どのようなコーディネートを組むかにもよりますし。
ざっくりですが、綺麗目でスラックス風のものが欲しい方はこちら、カジュアルなものが欲しい方はユニクロU、という感じでしょうか。
ヒートテックウォームイージーパンツ
名前からしてオシャレ感ゼロのいわゆる「暖パン」ですが、普通にオシャレとして使えるワーク調のパンツです。
生地にもじわっとした光沢があり、安っぽさをあまり感じない。
それから当然ながら暖かい。裏地がフリースになっており、肌触りもふんわりしています。
とはいえ、積極的にオススメするほどのものではないかな……。
トラックパンツ セットアップ可能
先に触れた「トラックジャケット」のセットアップパンツです。
シルエットは細身。
生地感は「トラックジャケット」と同じです。
内側にカラーラインが入っているのがアクセントになっていて面白い。
また裾にジップがついており、それを上げ下げすることによってシルエットが少し変化します。
オシャレとして使えるトラックパンツをお探しの方はチェックしてみてください。
とはいえ「トラックジャケット」のところでも触れましたが、生地が気になるんですよね……。
グッズ
トートバッグ
冒頭でも触れた、今回のコレクションでもっとも人気のあったアイテム。
見事に瞬殺でした。
とくにブラウンとオリーブは相当厳しかったようです。黒も現在は完売状態。
なぜかオンラインストアからは商品ページごと消えており、綺麗さっぱりなかったことに(笑)。
しかし上のリンクから直にアクセスすれば商品ページを確認できるはずです。
たしかにこのトートバッグ、非常に良い出来でした。
カラーの切り替えだったり、キャンバス生地と持ち手のレザー(合皮)のコンビネーションだったり、デザインにセンスがあるし……。
それからちょうど良い大きさ。マチが広く、荷物もそこそこ入ります。
こういうトートバッグ、探していた方多かったんじゃないかな。
それに生地も安っぽくなく、発色も良いです。
がっしりとした作りなので、耐久性も高いでしょう。
トートバッグですが、カジュアルすぎず、綺麗目なスタイルにも合わせやすいデザインになっています。
見た目も実用性も兼ね備えて、2990円……。
これは破格です。
オススメの色はオリーブ。
バッグ単体でも綺麗ですが、コーディネートにも合わせやすい色だと思いますよ。
黒も悪くないですが、ちょっと地味になりやすいかも。
ヒートテックデオドラントソックス
ソックスは柄違いで5タイプあるのですが、ここでは1つにまとめますね。
JWアンダーソンのコラボでは毎回、柄ソックス出てますよね。
インラインにはない、良質な柄ソックスが格安で手に入るのでオススメです。
とりわけ画像のバイカラーのタイプが使いやすいかと。
以上、UNIQLO and JW ANDERSON、2022年秋冬コレクションの全型レビューでした。
買い物の参考にしていただけましたら幸いです。