今回はパンツのシルエットのトレンドについてお話しします。
長い間、細身が主流だったパンツのシルエットに変化が・・・?
ここ最近、パンツに限らず全体的にリラックスしたスタイルにシフトしてきています。
ビッグシルエットのトレンドもそのうちの1つですね。
カジュアルなデニムはスキニーとなり、スーツも身幅が絞られて細くなったりなど、スマートなシルエットが今までの主流でした。
それが長年続いたので、今度は「もっと自然体でいようよ?」みたいな感じになってきているわけです。(笑)
そういえば、トレンドについて書くのは今回が初めてですね。
このサイトが考えるトレンドとの付き合い方についてなどについては下記の記事に書いているので、出来れば先に読んでいただければ嬉しいです。
まず、近年のトレンドの流れをざっとご説明します。
かれこれ10年くらい、細身のパンツが主流でした。
トレンドという意識すらもはや薄れていたかもしれませんね。
「細いパンツが当たり前でしょ?」みたいな。(笑)
しかし、そういったスキニーのような細身のパンツも長い目で見ると一過性のものなのです。
これはもともとディオールオムというブランドが生みだしたトレンド。
2005年に海外のコレクションで発表して、数年間かけて流行になりました。
この時はまだ裾にクッション(足に溜まっているシワのこと)がありましたが、また数年感かけてノークッションが主流となり、更にシャープになっていきました。
こうして誕生したのが、今は誰もが身につけるアイテムとなったスキニーパンツです。
しかし、限界はあります。
「もうこれ以上、細く出来ないし・・・あれ? 今だと太いシルエットが何だか新鮮?」
みたいなことをトレンドを作り出している方たちが段々と思ってくるわけです。(笑)
ファッション、トレンドとは常に変化するもの。
これ以上行けないところまでいったら、逆の方向に向かうしか無くなるんですね。
というわけで、これからパンツのシルエットは段々と太くなっていくことが分かるでしょう。
例えば、ワイドパンツがトレンドだと聞いたことはないですか?
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レディースでは既にかなり定着していますね。
女性が履いているのなら見たことはありますよね?
しかし、「いきなり真逆のワイドパンツなんて!」と抵抗がある方が多いかと思います。
実際、去年くらいからトレンドになると言われ続けていますが、メンズには未だにあまり浸透しておらず…。
僕もおそらく穿かないでしょうし、「オシャレになりたいならワイドパンツを穿いて他の人と差をつけろ!」なんてことももちろん言いません(笑)。
しかし、去年はほとんど見ることがなかったワイドパンツですが、今年の春夏くらいからトレンドに敏感な方たちは穿き初めており、来年には更に一般的になっていくでしょう。
今トレンドが変化しているといっても、まだまだ細身のパンツが主流の時代。
「太いパンツなんてオシャレじゃない!」と思う方も大勢いるでしょう。
ですが、ちょっと10年くらい前の映画を見てください。
パンツのシルエットは全体的に太く、テーパードもほとんどかかっていませんよね?
10年前はこれがスタンダードだったし、みんなオシャレだと思っていました。
実際、”その時代にはオシャレ”でした。
このように人の価値観は時代によって簡単に変わるものです。
パンツのシルエットは徐々に太くなっていくと言いましたね。
ですが、昔のパンツ(太いシルエット)と全く同じにはなりません。
トレンドを歴史的にみるとグルグルと円を描いているように見えるかもしれません。
「昔流行った〜〜〜が再ブーム!」みたいことを聞いたりしたことがあるはずです。
しかし、レトロなスタイルがトレンドになったとして、そのまま昔の服でコーディネートすればそれはやはり古臭く見えてしまう。(もちろん今も昔も本当に変わらないアイテムもありますが、ごく一部です。)
トレンドは繰り返しますが、同じではありません。何かがアップデートされているのです。
それでは、近年のパンツのシルエットのトレンド変化を理解したうえで、大人は何を選ぶべきなのか?
もちろん、大人といっても様々、人によって色々なスタイルがありますね。
トレンドを追いかけている人は既にワイドパンツに挑戦したり、まだまだ定番のスキニーを履いている人もいたり。
このサイトは最初のページにも書いてある通り、「トレンドを徐々に取り入れ、自分のスタイルをアップデートしていく」という方針。
流行の最先端を目指しはしませんが、かといってトレンドを無視するわけでもありません。
そういったスタンスで話を進めていきましょう。
そこで、今選ぶべきおすすめはテーパードパンツ。
「テーパードなんて前からあっただろ?」と思われるかもしれませんが、今までの主流であるかなり細身のスキニー+テーパードのようなシルエットではありません。
簡単に言うと、少し太め(この加減は色々あります)のシルエットですが、テーパッドが効いているから裾付近は今まで通り細め。
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股上が深く、ひざ周りゆったりしていますよね。
そのぶんテーパード感も強調されています。
太めといっても裾が細いからほとんど抵抗感はないでしょう。
今までのパンツと急激な変化はしていませんが、これならトレンドであるリラックスした雰囲気を楽しめます。
そして、スラックスのシルエットにもこれらの変化は起きています。
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更にこれに関連してディティールにも変化があります。
細身のシルエットが今まで主流だったのと同様、スラックスも10年以上ノープリーツ(プリーツがない)がスタンダードでした。
ですが、プリーツパンツもまた人気が出てきています。
2プリーツのパンツも多いですね。
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「プリーツ=おじさん」のイメージがあるかもしれませんが、全体的なリラックスしたスタイルが主流になるにつれて、こういったディティールも変わっていくのです。
例えば、裾の処理も再びダブルがトレンドになってきています。
これらが今後、しばらくスタンダードになるであろうシルエットです。
もちろん、「スキニーは時代遅れだ!今すぐ切り替えろ!」とは言いません。
まだ需要はあるでしょう。
トレンドを無理に追う必要はないので、気分が向いたらでいいんです(笑)。
これから少し意識してみてください。