メンズのコートの選び方を解説 色や素材は何が良い? 難易度の違いとは

今までコートの種類やトレンドなどについては解説してきましたが、肝心の選び方についてはまだ書いていませんでしたね。

というわけで、今回はコートの選び方について解説します。

お待たせしてすみません。

12月後半ですし、もう少し早く書きたかったのですが・・・。

書きたいことを詰め込んでいるとボリュームが増えたので、遅れてしまいました…(笑)。

これからコートを購入される方はもちろん、そうでない方も、お持ちのコートがどういう位置づけなのか分かるようになっているので、参考になれば幸いです。

たくさんの種類があるコートをどう分類して、どう選べば良いのか。

このサイトはファッションの教科書としても読んでいただきたいので、しっかり解説していこうと思います。

最後におまけとして、お手入れについても少し書いています。


多様なコートはどう分類すれば良いのか?

ご存じの通り、コートにはたくさんの種類があります。

ロングかショート。 ボタンの数や襟の形などなど。

デザインの余地がたくさんあるので、その分バリエーションは増えてきます。

「コートの種類ってどんなものがあるの?」という方は、こちらで解説しているので、是非。

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そうなると当然、「どう選べば良いのか分からない!」と言う方も増えてくるでしょう。

「とりあえず無難そうだから、Pコートにしようかな…」

「流行ってるから、チェスターコートにしよう」

「ビジネスだから、ステンカラーコートだろう」

などなど、つい「無難だから」という理由で選んでしまいがちです。

自分にとって本当に適切な物を選ぶためにも・・・。

コートをある基準で分類し、気になっている、もしくは既にお持ちのコートの立ち位置を考えてみましょう。

そのコートを着こなすときにも、非常に重要になってくることです。

それでは何を基準にしていくかですね。

ロングかショート、なども悪くないですが・・・。

もっと詳しく、ドレスかカジュアルで分類する方が応用が利くので、おすすめです。

コートはその幅がかなり広いですからね。

このサイトでは、コーディネートを考える時、”ドレスダウン”を意識することをオススメしています。

一般的なドレススタイルであるスーツを基準として、どこまでカジュアルに寄せるか、という考え方。

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これからも、コートがドレス寄りか、カジュアル寄りか、で考えることは自然ですね。

どれがドレスで、どれがカジュアル?

さて、コートをドレスかカジュアルかで分類するといっても・・・。

「チェスターコートはドレスで、ダッフルコートはカジュアルですよ! だって、チェスターはなんかジャケットっぽいし、ダッフルはフードがあるでしょ?」

みたいな、単純な話では終われません(笑)。

チェスターコートでも比較的カジュアルなものはありますし、ドレス寄りのダッフルコートもあります。

同じ種類のコートでも、シルエット、色や柄、素材、ディテールなどなど、様々な要素によってイメージがガラリと変わることもあるので、一概に言うことは出来ません。

シルエット

まずはシルエットから考えていきましょう。

丈の長さは、大きく分けるとショート丈、ミドル丈、ロング丈がありますね。

もちろん右に行くにつれ着丈が長くなっていきます。

ショート丈になるほど、スポーティな印象になります。

ちなみに今のトレンドはロング丈。

特にチェスターコートやステンカラーコートが人気ですね。

ですがロングコートがトレンドだからと言って、とにかく長ければ良いというわけではありません。

膝を目安に、それより上か下かで考えましょう。

今市場にあるコートの大半は、ロング丈であっても膝上丈ですね。

着丈が長くなるほどドレス度は上がりますが、重くなりすぎることもあるので、注意が必要です。

確かに、昔の紳士が着ているようなクラシカルなコートはどれも長いですよね。

昔のコートは今以上に寒さから身を守る必要があったので、膝下丈も珍しくありませんでした。

「それじゃあ、ビッグシルエットのコートもドレス寄りなの?」と思う方もいるかもしれません。

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「ビッグシルエットって何?」「今はこんなのが流行ってるの?」という方はこちらの記事をお読みください。

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大人のファッションということや、長く愛用していくという観点からも、このように極端な物はおすすめしていませんが、コートのシルエットは全体的にゆるめがトレンドになってきています。

話を戻しますと、確かに着丈は長いですが、シルエットがゆるいのでカジュアル寄りです。

着丈だけではなく、シルエットが全体的にゆるいか、スマートか、も重要です。

逆に身幅が適度に絞られていて、ジャストサイズのものであればドレス寄りになります。

素材

ウール

コートの素材と言えば、基本はやはりウールですね。

(化繊が混紡されている物も含めて)

ウールの生地にも方向性があり、1つはサラサラした生地。

良い物は繊維が非常に細く、希少性ゆえに価格も高価になります。

カシミヤなんかがそうですね。 こういったものはイタリアのブランドに多いですね。

光沢があるので、ドレス寄りです。

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もう1つはこのようなゴワゴワした生地。

ハリスツイードに代表されるような、英国のブランドに多いですね。

なめらかな感じや光沢感こそありませんが、耐久性に優れています。

サラサラした生地より、カジュアルな印象です。

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後者のほうが安値の場合が多いですが、どちらが優れているといった話ではありません。

英国的な、がっしりとした重たい生地のほうが好きという方も大勢います。

ギャバジン

ギャバジンも定番ですね。

トレンチコートやステンカラーコートなどによく用いられる生地です。

http://mackintosh.com/wp-content/uploads/2016/07/3-800×1200.jpg

ギャバジンとは、丈夫な綾織りの生地のことですが、大半はコットン(綿)です。

良い物は高密度に織られてツヤがあるので、ドレス感があります。

ナイロン

ナイロンなどの化学繊維の生地のコートも人気ですね。

シャカシャカした生地はスポーティな印象なので、当然カジュアル寄り。

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しかし、上質な生地はマットな質感で、上品な光沢感があります。

ナイロン生地のコートでも、上質な生地を用いて、更にシルエットもやや細身でドレス要素を高めた物もあります。

こういった物はイタリアブランドが得意ですね。

ディテール

フォーマルなディテールがあるほどドレスに。

スポーティなディテールがあるほどカジュアルになります。

ここでは代表的なものを取り上げてみます。

シングルとダブル

ボタンの配置のことです。

これがシングルといって、ボタンが1列に配置されています。

一般的なボタン配置ですね。

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これがダブル、ダブルブレストといって、ボタンが2列に配置されています。

クラシカルなコートによく用いられるディテールで、ドレス感が高くなります。

https://bnyjp-prod.item.photo/product/2022375/2022375_main.jpg?ts=20161110185605

画像は2枚とも同じようなチェスターコートですが、シングルかダブルかで印象がかなり違ってくるのが分かると思います。

比翼仕立て

フロントが2重になっていて、前から見た時にボタンが見えない仕様のことを”比翼仕立て”と言います。

フロントがかなりすっきりしますね。

https://bnyjp-prod.item.photo/product/2022351/2022351_main.jpg?ts=20161110185610

ステンカラーコートによく用いられます。

フォーマルなディテールなので、当然ドレス寄りになります。

色・柄

色によっても、コートのドレス・カジュアルの度合いは変わってきます。

ドレス感のある色というのは、ドレススタイルによく用いられる色。

スーツの色と言ってもいいでしょう。

つまり、ネイビー・グレー・黒あたりですね。

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それ以外の色、特に明るい色であったり、更に柄も入れば、かなりカジュアルな印象になります。

これなんか良い例ですね。

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コートの中でも最もフォーマルなチェスターコート。

シルエットや生地もスタンダードですが、明るいカラーで大胆なチェック柄が入ることにより、かなりカジュアルになっています。

逆に、ダークトーンで一見すると無地のように見える落ち着いた柄のコートであれば、それほどドレスダウンされないでしょう。

最終的な判断は、全ての要素を考慮しよう

コートがどれほどドレスか、カジュアルか、を見極めるためのポイントをいくつか紹介してきました。

しかし・・・。

「ナイロン生地のシャカシャカしてるコートだから、これはカジュアルな物だ」

「ボタンの配置がダブルだから、このコートはかなりドレス寄りだ」

のように、1つの要素だけで判断するのは止めましょう。

ナイロン生地でも上質な生地で、シルエットもエレガントなコートはありますし、ダブルブレストのコートでもショート丈過ぎて幼く見える物もあるからです。

最終的な判断は、それら全部を含めて下しましょう。

こんなコートはどうでしょう。

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代表的なタイプのコートではなく、少し特殊ですね。

今まで紹介した要素が色々ミックスされています。

「ダッフルコートのようにフードが付いているけど、フロントはダブルブレストだ。シルエットはある程度着丈があって、ジャストサイズ。色は少し明るいけど、素材はウールで上品な光沢がある・・・。カジュアルな要素もあるが、少しドレス寄りのコートかな?」

といったように考えられればOKです(笑)。


難易度の違い 着こなしやすいコートは?

さて、カジュアルスタイルに合わせるコートを選ぶ際には、”コートの難易度”にも注目しなければなりません。

どういうことかと言いますと、ドレススタイルであれば、スーツ+チェスターコートのように”ドレスダウン”要素なしのコーディネートでも良いですが、カジュアルスタイルであれば、適度に”ドレスダウン”しなければいけません。

つまり・・・。

一般的に、ドレス・カジュアルの度合いが極端に高い物は着こなすのが難しいのです。

ドレスの度合いが高いコートといえば、ここ数年大流行しているチェスターコートなどがそうですね。

特に着丈が長く、ダブルブレストで、色もネイビーなどになってくると、カジュアルスタイルで使うのはなかなか苦労するでしょう。

コートのドレス要素がMAXなので、他のアイテムでその分ドレスダウンする必要があるからです。

カジュアルの度合いが高いコートといえば、ダッフルコートなどでしょう。

フードが付いている上に、フロントはボタンではなくトグルで止めているので、カジュアル要素満載。

こちらはドレスダウンしすぎになってしまいがちですね。

もちろんこれらを着るなと言っているわけでは全くありませんが、注意してください。

逆に着こなしやすいコートはなんでしょうか。

それは良い具合にバランスが取れているコートですね。

例えばPコート。

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トレンドからは外れていますし、学生が着ているイメージが強いかもしれませんが・・・。

ダブルブレストでドレス感の強いデザインながらも、ショート丈にすることにより、重たすぎないように調整しています。

着こなしの難易度の低さも、昔ショート丈のPコートが大流行した理由の1つでしょう。

ここまでで、コートがどういった立ち位置なのか、判断できるようになれたでしょうか?

あとは普段の自分のスタイルがどれほどドレスダウンされたものなのか考えれば、どのようなコートが最適なのか見えてくると思います。

仕事はスーツで、休日も綺麗目な服を着ることが多い方は、チェスターコートやステンカラーコートのようなドレス寄りのコートが使いやすいでしょう。

もちろんこれは絶対ではなく、スーツにダッフルコートなどを合わせるのもOKです。

あくまで、綺麗目なコートのほうが合わせやすいというだけです。

そういった場合は、カジュアルなタイプのコートでも、少しドレス寄りの物を選んでみてください。

ショート丈のダッフルコートと言えば、普通に考えるとキング・オブ・カジュアルなコートですが・・・。

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ずいぶん想像したものと違いましたか?

ちなみにこれは30万円ほどするハイブランドのコートなのですが・・・。

まず、圧倒的な高級感のある生地でドレス感を高めていますね(笑)。

素材の良さがあってこそ為せる技です。

もちろん、それだけではありません。

シルエットは洗練されていて、色がネイビーなのもポイントです。

ダウンコートなどをスーツスタイルに合わせる場合も、ドレス寄りの物を選べば上手くハマると思います。


色はどうする?

最後に色についてお話します。

コートは頻繁に購入するものではないので、やはり着回しの利く色がおすすめですね。

特に、まだあまり枚数をお持ちでない方は、色々なコーディネートに合わせやすい色を選ぶべきです。

おすすめなのは、やはりネイビーかグレー。

この2色はメンズファッションにおける定番色。

どんなコーディネートにも合わせやすい万能性があります。

グレーは色の幅が大きいですが、ミディアムグレー・チャコールグレーなどの暗めのグレーが使いやすいと思います。

黒も着回しが利く色なので良いですね。

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ただ、冬のコーディネートはダークトーンのアイテムを中心に構成されることが多いので、重たすぎになってしまう場合があるので注意が必要です。

この3色は先ほど、ドレス感のある色として紹介しましたね。

場合によってはかなりドレス寄りのコートになるかもしれません。

例えば、ネイビーのチェスターコート。

スーツなどのドレススタイルとは相性抜群ですが、「カジュアルには使いづらいのでは・・・?」と思うかもしれません。

そういった時は、インナーやパンツなどで”ドレスダウン”してしまえば良いのです。

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この画像だと、インナーのニットを派手な赤色に、パンツも明るめの色を履いていますね。

ネイビー自体、色んな色と凄く相性が良いので、あとはどれだけドレスダウンするかです。

既に数をお持ちの方は、キャメルやライトグレーのコートもかなりおすすめですよ。

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この2色も比較的合わせやすい色です。

そして、ネイビーやチャコールグレーと違い、明るい色でもあります。

冬ファッションはダークトーンで重たくなりがちですが、そんな状況を簡単に打破できます。

詳しくはこちらの記事で。

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そしてお気に入りのコートを購入した後は、しっかりケアをしながら長く使っていけると良いですね。

面倒に思われるかもしれませんが、脱いだ後はブラッシングして、ホコリを払いましょう。

数分で終わりますし、毛玉の発生の防止にも繋がります。

ハンガーも、型崩れしないように、しっかり厚みのある物に掛けましょう。

ちなみに、僕はマイネッティのハンガーを愛用しています。

手頃な価格ですが、しっかり厚みがあり、木製ハンガーのような高級感があるので非常におすすめです。

肩幅が40cmのものと43cmのものがありますが、おそらく大半の方は40cmのタイプで大丈夫だと思います。(XL以上のサイズをお持ちの方は43cmのほうが良いかもしれません)

しっかりしたハンガーにお気に入りの服を掛けて吊るしておくのは、見た目も美しいので、なかなか楽しいですよ(笑)。


いかがでしたか?

基礎知識ということで、今回はコートの選び方について解説しました。

来月にはコートの種類ごとに、具体的な着こなし方などを書いていく予定です。

お楽しみに!


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