さあいよいよ本日9月16日販売開始です。
ユニクロU2022年秋冬コレクション。
当ブログでは過去にも何度かユニクロUのレビューを行いまして、ほんとうにたくさんの方々に記事を読んでいただけました。
それからずいぶん期間が空いてしまいましたが……。
今年も全30型、丁寧に解説していきますよ。
2022年秋冬コレクションの印象をひと言でざっくり言うと、「平均点は高いが、際立って優れた良品はそう多くない」といったところです。
良く言えば、どれを買っても損はしない。
しかし 悪く言えば、少々地味。
これは買ったらダメ、というものは特に思いつかないのですが、面白みには欠けるような気がしますね。
型数も少なく(メンズは30種類)、カラー展開も減っています。
これも良く言えば、捨てアイテム・捨て色がないということなんですが……。
正直ちょっと寂しい感じも否めない。
また定番化されたアイテムも多く、だいぶ落ち着いてきた気がします。
もちろん過去に発売された名作を定番品として買えるのは嬉しいことです。
しかし 毎年ユニクロUをチェックしている方からすれば、あまり代わり映えしないラインナップで、いまいちテンションが上がらないんじゃないかな。
もちろん、相変わらず「コスパ」は良いです。
他ブランドは到底太刀打ちできないでしょう。
ただ、ここが重要なのですが、第3者は「コスト」、その服がいくらしたかなどは考慮してくれないわけで。
つまりいくらコスパに優れていても、生地やデザインなど、ある程度のクオリティに達していなければオシャレとしては使えないわけですね。
そしていくらユニクロは安いといっても、残念なことに今シーズンから大幅に値上げされています。
全体的に1000~2000円ほど高くなっている印象。
これはインラインの商品でも同様です。 ちょっと前まで2000円で売っていたシャツが今は3000円。3000円で売っていたニットが今は4000円になっています。
先日も、「ユニクロのフリースが2990円になる理由」と題した広告が、新聞に大きく掲載されていました。
もちろん値上げはユニクロだけじゃないし、そもそもアパレル業界だけじゃありません。
原材料費や輸送コストの高騰。
これは多くの企業・業界にとって避けては通れない問題でしょう。
だから値上げは仕方がないことではあるのですが……。
しかしそうは言っても、消費者目線で考えると、やっぱり割高感は否めない。
ユニクロの価格帯で1000円や2000円の値上げはだいぶ大きく感じてしまいますね。
そういうわけで今回のコレクション、いまひとつパッとしないというか、盛り上がりに欠けるような気もするのですが……。
しかし良いアイテムもあるにはあります。
いや、前シーズンからの定番品も含めたら、そこそこあります。
そういったものを見逃さず、秋冬に向けて、ここで買い足しておきたいですね。
ところで現在、「ユニクロU 2022年秋冬」などで検索すると、発売前のユニクロ公式サイトの情報だけを判断材料にしてレビューしているサイトが乱立していますが……。
当ブログではきちんと実物を見て、試着してからレビューを書いています。
なのでご安心を。
さて、それでは見ていきましょう。
カテゴリー別にレビューしていきます。
まずはアウターから。
※カテゴリーの区分、紹介するアイテムの順番は、ユニクロ公式サイトでの並び順を踏襲しています。
アウター
今シーズンのアウターは、あまりパッとしないなというのが正直な印象。
いや、悪くはないんですけどね。
ハズレはなく、どれを買っても損はしない。
しかし、めちゃめちゃオススメできるアイテムもない……という感じです。
また秋冬シーズンのアウターといっても、本格的なウールのコートやダウンジャケットが展開されているわけではありません。
ミドル丈の軽いアウターが多いですね。
なので少し寂しい気もしますが…….。
しかし今ウールのコートやダウンを作るとなると、相応に値段が高くなってしまうのは避けられないでしょうし、そうなると誰も買わなくなりますし……。
結局、本格的なヘビーアウターを出すのは難しいのでしょうね。
とはいえミドル丈のアウターも決して悪いわけではありません。
たとえば「フーデッドジップアップブルゾン」(¥7,990)。
表はコットンキャンバス素材、裏はフリース素材の、アウターとして使えるパーカーです。
これ、普通に良いと思います。
ユニクロ公式サイトの写真で見ると「なんだ、普通のパーカーじゃん」と思われるかもしれません。
インラインでも、ユニクロはスウェットパーカーをずっと定番で出していますよね。
しかし実物を見ると、ハリ感のある肉厚な生地で、インラインのスウェットパーカーとはまるで違います。
これは誰がどう見てもアウターです。
ボリューム感のあるアイテムですが、袖口と裾はゴムでギュッと絞られているので、ダボっとした印象になりにくい。
フード付きのブルゾンなので、着回しやすい。
着丈が短いので、ワイドパンツとも相性が良い。
また防寒性も高いので、着用できる期間もかなり長いと思います。
なかなか良いアイテムですよ。
「ユーティリティショートブルゾン」(¥9,990)も悪くはないですね。
今シーズンの看板商品なんでしょうか。バブアーみたいなデザインのブルゾンです。
公式サイトの商品ページに「ワックスでコーティングしたような味のある風合い」と書いていることからも、バブアーを意識していることは明らか。
たしかに、しっとりした質感のコットン生地が使われています。
バブアーそっくりとは言いませんが、安っぽくはないですね。
シルエットはちょうど良いオーバーサイズで、まさに今のトレンドに合致しています。
こういったシルエット、インラインでも是非とも出してほしいですね。
裾のコードを絞れば、ちょっとコンパクトな印象にもなります。
ポケットの配置や襟の形など、細かいところも良いと思います。
ただ……。
デザインが地味なのが少し気になる。
ちょっとミニマル過ぎるというか、オーバーサイズでもなんだか物足りない感じがするんですよね。
たとえばバブアー本家は襟をコーデュロイにしていたりするんですよ。
何かひとつでもアクセントがあれば良かったのになあと思ってしまいますね。
ただ、「バブアー欲しいけど高くて買えない……」という方には、これで妥協しておくというのもひとつの選択肢にはなるかもしれません。
「ウールブレンドシャツジャケット」(¥9,990)も同様です。
せっかくシルエットは良いのに……地味。
生地にはウールも入っているのですが、正直ちょっと安っぽく感じるかな(実際安いので文句は言えませんが)。
こういったシンプルなアイテムであればあるほど、素材の高級感が重要になってきます。
これに1万円出すかと言われたら、私なら出しませんね。
「ポケッタブルロングコート」(¥9,990)も、同じく1万円にしてはやや割高感のあるアイテムです。
ただしこれ、なかなかの良品でもあります。
落ち感のある素材を用いており、ゆったりしたシルエットがとても綺麗です。
「ポケッタブル」という名前からして素材感にはあまり期待できそうにもありませんが、実はナイロン生地にシワ加工が施されており、風合いがあります。
機能性に優れているだけでなく、十分オシャレ着として使えます。
春っぽいですが、白の色味も良かったですよ。
ただし私は試着の際、中に黒い服を着ていたのですが、ほんの少し透けていました。
ちょっと注意が必要かもしれません。
アウターとしていちばん完成度が高いのは、やはり「ブロックテックコート」(¥12,900)でしょうね。
もうお馴染みの、いささか飽き飽きしている人もいるであろう、ユニクロUが少しずつ変更を加えながら毎シーズン出しているステンカラーコートです。
でもやっぱり凄い。
ステンカラーコートといえば、そのクリーンなデザインゆえ、仕事着のイメージを持っていらっしゃる方もいるかもしれませんが……。
こちらは大きな襟やポケットなど、カジュアルなデザインになっているので、スーツの上に羽織るだけでなく、オフの日のコーディネートにも合わせやすいです。
また、例年よりも着丈は短くなっています。
程よくゆったりしたサイズで、リラックスしたシルエットが綺麗。
これを羽織るだけでなんとなくサマになる、そんな便利なアイテムでもあります。
そしてブロックテック素材ときた。
機能性も抜群です。
過去のコレクションのことはさておき、純粋にアイテム単体を見て点数をつけるとしたら、結局アウターの中ではこれが1番になるでしょう。
これまでユニクロUのステンカラーコートを買ったことがなく、綺麗目なコートをお探しの方はぜひチェックを。
この価格帯ではこれに勝るアイテムはないと思いますよ。
黒も良いですが、私はオリーブカラーが気に入りました。
セーター・カーディガン・フリース
続いてニット類。今シーズンはなかなか良い出来だと思いますよ。
おそらくニットの中で、発売前から最も注目されていたのは「プレミアムラムリブVネックセーター(長袖)」(¥3,990)。
これは期待通り、かなり良かったです。
起毛感のあるラムウールを用いた、リブ編みの温かみのあるニット。
こういったボリューム感のあるミドルゲージのニットは野暮ったく見えることも多いのですが…….。
そうならないように、さまざまな工夫が凝らされています。
たとえば普通のニットのように袖口や裾がギュッと絞られておらず、ストンと落ちているのがいいですね。
また肩周りのリブの方向が切り替わっており、アクセントになっている点も秀逸。
それからクルーネックではなく、Vネックになっているのも、ちょうど良いバランスかと。
光沢の強いハイゲージニットであればクルーネックでもまったく問題ないのですが、こういうざっくり編んだニットの場合、おじさんくさく見えてしまう危険性があります。
しかしこちらはVネックなので、その心配もありません。
ちょっと深めのVネックですが、嫌味な印象にはなっていないですね。
商品ページの着画のように、インナーに白Tシャツを合わせるのが王道かと思いますが、ニット単体でも着用できる深さのVネックだと思います。
クルーネックに飽きた方、あるいはトレンドのVネックを試したい方にもオススメですよ。
このラムウールのニットには、カーディガンタイプの「プレミアムラムリブVネックカーディガン(長袖)」(¥3,990)もあります。
カーディガンになっていること以外は、生地もデザインも同じです。
こちらもオススメ。
色展開ですが、個人的にはナチュラルカラーに惹かれました。ライトグレーっぽいのですが、独特の雰囲気があります。
黒やブラウンも良い色でしたし、使いやすそうです。まさに捨て色なし。
サイズに関しては、私は普段ユニクロのニットであればXLサイズを選ぶことが多いのですが、こちらはLサイズでも小さく感じませんでした。
前述のとおり、袖口や裾がストンと落ちているからかな。
もちろんもっとゆるく着たい方は1サイズアップしても良いと思います。
ちなみにユニクロのニットは全般的に小さく作られているので、基本的には1~2サイズアップがオススメです。
私の場合、シャツだとLサイズがジャスト(今っぽい少しゆとりのあるサイズ感)なのですが、Tシャツやニットはもう少しゆるく着たいのでXLを選ぶことが多いです。
さて、ここまでは良い点を挙げてきたわけですが、1点だけ注意点があります。
それはラムウールゆえに、着るとチクチクするということ。
もちろん人にもよるでしょう。
それにユニクロがこれだけ長くラムウールのニットを売っているところを見るに、私のような人間は少数派なのかもしれません。
しかしこのチクチク感は我慢の限界を超えていますね。
そもそもユニクロのラムウールにはあまり良い思い出がないんですよね。
いつも良さげな新商品が出るたびに試着しては、「あ、やっぱりダメだ」となる。
今度こそは肌触りが変わっているかもと淡い期待を抱くのですが毎回同じですね。
ラムウールはチクチクしない、なんて言われていますがあれは嘘ですよ。
私などは発売前に公式サイトで商品画像を見ていただけでチクチクする感覚が蘇ってきました。いやほんとに。
ただ上記の点以外は本当に良いアイテムなので、試着してみて問題なければぜひ購入してみてください。
着られる人がちょっと羨ましいですね。
そういうわけで私にはもう1つの新作ニット、「クレープウールクルーネックセーター(長袖)」(¥3,990)のほうが個人的にマストバイでした。
ユニクロには同価格帯のニットに、言わずと知れた名作、エクストラファインメリノシリーズがあります。
なのにどうしてこちらを選ぶのかといえば、やはりこのニットが醸し出す独特の雰囲気でしょう。
特にオリーブカラーが素晴らしい。
グレーを混ぜたような、くすんだオリーブ。なんとも言えないニュアンスカラーになっています。
黒なども使いやすくて良いと思うのですが、このオリーブは素材のふんわりした質感と相まって独特の色合いになっていますね。
これはユニクロに見えないんじゃないかな。
今回に限らず、ユニクロUは珍しいニュアンスカラーのアイテムが多いので、色選びがやや難しいという側面もあります。
しかし今回のように、それが吉と出る場合もあるんですよね。
嬉しいことに、試着すると自分の肌の色とよくマッチしていました。
ただ店頭にはXLサイズがなかったので、その場では購入しなかったのですが。
後日オンラインストアで注文する予定です。
肩周りのサドルスリーブのデザインもいいですね。細かいことに思えるかもしれませんが、これ着てみるとかなり目立ちます。
クルーネックもそれほど詰まっておらず、好感が持てます。
同じくクレープウールのニットでは、「クレープウールタートルネックセーター(長袖)」(¥3,990)も出ています。
ただしタートルネックになると、首が少しチクチクするのが気になりました。
クルーネックのときにはあまり気にならなかったのですが……。
首の皮膚はデリケートなので、タートルネックの場合は素材に余計神経を使いますね。
自分はユニクロのニットだと、カシミヤか、せめてエクストラファインメリノじゃないとタートルネックは着られないのかも。
このカテゴリーで最後に紹介するのは、「ワイドフィットフリースプルパーカ(長袖)」(¥4,990)。
試着したときの第一印象……。
「生地、硬っっった!!」
ゆるふわな見た目をしているくせに、ありえないくらい硬い。
生地にぜんぜん伸縮性がないんですよ。
パーカーなので、おかげで首を通すのにかなり苦労しました。
しかも先ほどのラムウールほどではないですが、若干チクチクします。
本当にこの硬さ、何とかならないかな。
脱ぐときには首が締まって死にかけました。
いや自分の顔が大きいだけなのか?
リラックス感のあるシルエットは綺麗だし、フードもよく立ち上がるので小顔効果もある。
フリースですが、ウールをブレンドしているだけあって、生地もなかなか良い。しかも分厚いので防寒性もそれなりにある。
シンプルなパーカーとして完成度は高いのに……残念です。
シャツ
シャツも見ていきましょう。
今回のユニクロUのシャツは全般的に、通常のインラインのシャツよりもやや大きめに作られています。
商品名にすべて「オーバーサイズ」と付いているとおりですね。
私はインラインのシャツであればLサイズを着てもあまりゆるくならず、今のトレンドからすれば微妙なシルエットになるのですが、今回のユニクロUのシャツはLサイズでそれなりにリラックスしたシルエットで着ることができます。
ただし「オーバーサイズ」と言っても、それはあくまでユニクロにしてはの話。
デザイナーズブランドなどにおける「オーバーサイズ」と比べると、かなり控えめです。
あくまでほどよくゆったりしたシルエットなので、オーバーサイズが苦手な方でも問題なく着られますよ。
言ってみればこれくらいのサイズ感が現代の「ジャスト」サイズですね。
さてシャツの中でいちばん面白いと思ったのは、「フランネルオーバーサイズスタンドカラーチェックシャツ(長袖)」(¥3,990)。
フランネルオーバーサイズスタンドカラーチェックシャツ(長袖)
カジュアルな印象のネルシャツながらも、スーツにも使われるフォーマルな柄「ウィンドウ・ペン」を用いているのが面白い。
また襟がスタンドカラーになっており、デザイン性があるのもいいですね。
良い意味で普通のシャツではなく、大人っぽくシックに着こなせるアイテムだと思います。
パッと見の生地感は普通のネルシャツだったので、綿100%かと思いきや、よく見ると合繊でした。
とはいっても決して安っぽくはないし、近くでまじまじと見なければ合繊とわからないかと。
ポリエステル・レーヨンの落ち感のある素材です。
シャツにしてはやや厚めの生地なので、アウターとしても使えます。
また合繊でこれだけ厚みがあれば、おそらく洗濯してもほとんどシワがつかないんじゃないかと思います。
使い勝手の良いアイテムですね。
胸に配置されたポケットにボタンがついていたり、サイドにスリットあったりと、細かなところにも配慮が行き届いています。
色展開も、オフホワイトと黒と、どちらもベーシックで使いやすい。
同じポリエステル・レーヨンのフランネル素材を使ったシャツに、「フランネルオーバーサイズチェックシャツ(長袖)」(¥3,990)があります。
こちらは襟付きでチェック柄のシャツ。
そういえば昨年の秋冬のユニクロUでもフランネル素材のチェックシャツは出していましたね。
ネルシャツといえばやはりチェック柄ですが、一口にチェックと言ってもいろいろなものが存在します。
こちらはヨーロッパ風の綺麗目なチェック柄。
しかもダークトーンのチェックなので落ち着いた印象で、なおかつ使いやすい。
生地やシルエット、サイドスリットなどのデザインは、先ほどのスタンドカラーシャツと同じです。
両方とも1枚で着てもかっこいいのですが、柄物なのでインナーとしてもめちゃめちゃ使えそうです。
なので1枚持っておくと便利ですよ。
やはりアウターは無地のものを選ぶことが多いでしょうから、そのぶんインナーで柄を加えてあげると地味なコーディネートじゃなくなります。
とはいえ無地のシンプルなシャツも用意しておきたい。
そこでオススメなのが「オーバーサイズシャツ(長袖)」(¥3,990)です。
毎年同じようなシャツを出していますが、やはり完成度が高い。
コットンポプリン素材の少しシワ感のある生地なので、クリーンな印象を保ちながらもカジュアルに着こなすことができます。
シルエットも少しゆったりとしていて綺麗だし、生地も綿100%で良質。
襟の形や大きさ、裏前立てなど、全体的なデザインのバランスも良い。
ただカラーバリエーションに普通の白や黒がなく、中間色で展開されているので、そこは好みが分かれるかな。
しかしブルーカラーはほとんど黒に近いネイビーなので、黒シャツの代わりとしても使えそう。近くに黒のアイテムを持ってきて、ようやく青みがかっているのがわかる程度。
このシャツのストライプ柄のバージョンが、「オーバーサイズストライプシャツ(長袖)」(¥3,990)。
ストライプ柄であること以外は、無地のオーバーサイズシャツと同じです。
ストライプと言っても、ロンドンストライプのように爽やかでハッキリしたものではなく、くすんでぼやけた古着っぽさを感じさせるストライプ。
こちらも普通に良いかと。
シャツといえば、「オーバーサイズワークシャツ(長袖)」(¥4,990)が気になっていた方もそれなりにいたんじゃないかと思います。
こちら悪くはないんですが……。
生地が薄く、残念ながらアウターとしては使えなさそうです。
もちろん1000円高くなっているぶん、普通のシャツよりは少し厚いのですが。
買うなら1枚で着るか、インナーと割り切ったほうがよさそう。
ブロックテックコートと合わせてみたら、なかなかカッコよかったですね。
Tシャツ・スウェット
Tシャツ・スウェットはごくごくベーシックなものばかりですが、良品揃いです。
毎シーズン展開している定番アイテムが多く、今さら詳しく説明する必要はないと思うので、駆け足でいきますね。
まず「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」(¥1,500)。
今っぽいビッグシルエットのカットソー。
やや大きめのサイジングですが、サラッとした、光沢のある素材なので大人っぽい印象です。
商品名に「エアリズムコットン」とありますが、これはなにもエアリズム素材とコットンを均質に混ぜているわけではなく、外から見える表面にはコットンが用いられています。
なので天然素材感があり、安っぽくない。
そして肌に触れる裏面にはエアリズムが用いられているので、サラサラしており快適。
綺麗目でシンプルなTシャツをお探しの方は、これを選んでおけばまず間違いないかと。
値段もクオリティも文句なし。複数枚持っておきたい逸品です。
とはいえこの時期から半袖Tシャツを買うのは気が引けますが……。
私の場合、たぶんMサイズでも着られると思いますが、よりゆったりと着たいのでXLを選んでいます。
一方、「クルーネックTシャツ(半袖)」(¥1,000)は、綿100%のがっしりとしたTシャツ。
こちらもずーっと店頭に置かれている定番商品ですね。
アメカジっぽい、いくぶん粗野な感じのするTシャツ。
ヘヴィーウェイトのざらざらした生地を用いています。
サイズ感は少しゆったり目。
安いし、オーソドックスなTシャツとして悪くないのですが……。
ただ、オシャレとして着るなら、先ほどのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツのほうがオススメかな。
長袖のカットソーもあります。
「クルーネックT(長袖)」(¥1,990)。
先ほどのTシャツをただ長袖にしただけかと思いきや、いろいろと仕様が異なっています。
厚手のTシャツであることには変わりませんが、少しクリーンな印象になっていますね。
シルエットは、ドロップショルダーでよりルーズに。
それから胸ポケットもついています。
また長袖になったことに伴い、袖口もリブ仕様に。
細かいところですが、ネックのデザインも変わっています。
2000円で買える、シンプルな良いロンT。
何枚か持っておくと秋口に便利。
お馴染みとなった「モックネックプルオーバー(長袖)」(¥1,990)も、やはり出てきました。
ハリと肉感のある生地を用いた、モックネックのカットソー。
こちらも便利なアイテムなので、何枚か持っておくと良いかと。
なにが便利かって、長袖のモックネックなので、秋に1枚で着てもサマになるし、冬にもインナーとしてバリバリ活躍してくれるんですよ。
とくにインナー使いについては、ファッション性はもとより、アウターの襟元を汚さないという利点もあります。
これは自分だけかもしれませんが、高価なアウターの襟元に直接首をつけて着るのって少し抵抗があるんですよね……。すぐシミになりそうだし。
Tシャツより厚めの生地なので、冬に着ても違和感はありません。
またコットン100%ではなく、ポリウレタンを5%混紡しているので、シワにもなりにくい。
私はLサイズで着ています。ややゆるめくらいの大人っぽいサイズ感。
普段どおりXLを選んでオーバーサイズに着てもいいのですが、ちょっと身幅が広くなりすぎて子供っぽく感じてしまうかな。まあこのあたりは気分なので変わるかもしれませんが……。
価格もお手頃。良いアイテムです。
それからスウェットですね。
「ガーメントダイスウェットシャツ(長袖)」(¥3,990)。
ごく普通のスウェットですが、非常に良い出来。
ガーメントダイ(製品染め)を施すことによって、ヴィンテージっぽい雰囲気になっています。
製品染めとは、製品として仕上がってから染める手法のこと。
そうすることによって色ムラができやすくなり、独特の風合いが生まれます。
首元がやや開いていたり、肩が少し落ちてリラックスしたシルエットになっていたりなど、バランスが良くて着やすいかと。
コーディネート次第で、カジュアルにもクリーンにも使えそう。
カラー展開も捨て色なしといったところ。
格別な面白味はないですが、生地も良いですし、4000円でこのクオリティなら文句なし。
シンプルなスウェットをお探しの方にはオススメですよ。
そしてようやく新作らしい新作なのが、「ボアスウェットトラックジャケット(長袖)セットアップ可能」(¥4,990)。
スウェット素材のトラックジャケット。
いわゆるジャージですが、トレンド感もあり、なかなか良いアイテムだと思います。
高くボリュームのある襟が特徴的。
ここだけ切り替えでリブ素材になっていることもあって、かなり目立ちます。
ジップを上げたり下ろしたり、2通りの着こなしが楽しめる。
シルエットもドロップショルダーのルーズなものになっており、ゆったりと着られます。
スウェット生地には肉感があり、裏地を起毛させているので、防寒性もそこそこあるかと。
ジップを上まで閉めてタートルネックのようにすると、さらに防寒性が高まります。
生地はあまり安っぽくないし、ジップのチープさもそこまで気にならないか。
ユニクロって生地のクオリティが高いぶん、ボタンやファスナーが安っぽさが目立って残念なことがけっこうあるんですよね。
なので発売前にこのアイテムはどうかなと心配していたのですが、思ったより目立っておらずよかったです。
また、このあと紹介するスウェットパンツとセットアップ可能。
アウターとしてももちろん使えますが、コートなどのインナーとして用いるのがオススメ。
というのも大きな襟がチラ見えすることによって、アウターの印象を一気に変えてくれるから。
ジャージなので、綺麗目なアウターと組み合わせることによって、スポーツミックス風のコーデになりますね。
防寒性も高まるので一石二鳥。
ボトムス
それではボトムスです。
「レギュラーフィットジーンズ」(¥4,990)は例年通りのアイテム。
テーパードが効いているものの、肌にぴったり張り付かない、ややリラックスしたシルエット。
この細すぎず太すぎずのバランスが絶妙で、万人にオススメできるジーンズです。
選ぶサイズや穿く人の足の長さにもよりますが、裾にワンクッションできるかできないかくらいの丈感。
このくらいが今はちょうどいいんですよね。
まだ細身のアンクル丈のパンツしか持っていない方、とりあえずジーンズが一本欲しい方、まずはこれを選んでみてはいかがでしょう。
カラー展開ですが、インディゴや黒といった定番色が展開されていないんですよね。
秋冬っぽいカラーは良いですが、使い勝手はやや劣りそう。
個人的にはグレーの色味は気に入りましたが。
ボトムスの中でもっとも良かったのが、「タックテーパードチノ」(¥4,990)。
こちらチノパンなのですが、センタープレスのデザインや、細身のスッキリしたシルエットなど、スラックスのような印象になっています。
シルエットがかなり綺麗。
タックが深めに入っており、もも周りはかなりゆったりしているのですが、裾にかけてシュッと細くテーパードしています。
これ、40代くらいのイタリアファッション好きの方にも刺さるのではないかと。
生地もおそらく、ユニクロのパンツでは最高レベルのもの。
がっしりとした厚手の、光沢のあるコットンツイル素材です。
黒も使いやすくて良いと思うのですが、私のオススメはブラウンですね。
ブラウンというか、ベージュかな。
ベージュのチノパンというと大学生みたいに思えるかもしれませんが、全然そんなことはありません。
明るくのっぺりとしたベージュではなく、ややくすんだ深みのあるベージュ。
ユニクロが普段出しているベージュとは違います。
誰でも穿きこなしやすいという意味でも、イチオシのアイテムです。
続いて「コーデュロイワイドフィットワークパンツ」(¥4,990)。
秋冬らしい温かみのあるコーデュロイ生地のワイドパンツ。
ちょっと変化があって面白かったので、発売前から気になっていました。
ただ実物を見て感じたのは、思っていたよりも着こなしが難しそうだなということ。
というのも、コーデュロイの時点でカントリー調といいますか、田舎っぽいもっさりした雰囲気(それが魅力でもあるのですが)になるのに、あまり発色が良くないせいで、より野暮ったく感じられてしまうのです。
良く言えばヴィンテージ風ですが……。
色がくすんでいると同時に、ちょっと白っぽくなっているのも気になる。
それに生地も、この価格帯なので仕方がないですが、いささか安っぽく見えてしまう。
ある程度の価格帯になればコーデュロイでも美しいのですが、こちらは光沢があまりないですね。
シルエットも、テーパードが効いており裾に向かって細くなっているものの、ストレートに近く、とりたてて美シルエットというわけでもない。
先ほど触れたジーンズとチノパンのように、穿けば誰でもサマになるというアイテムではなく、あくまでコーディネートの”外し”として使うことアイテム。
悪くないですが、中級者以上向けのアイテムかな。
変化があって面白いといえば、「ボアスウェットトラックパンツ セットアップ可能」(¥3,990)も。
「Tシャツ・スウェット」カテゴリーで触れたトラックジャケットとのセットアップパンツ。
もちろん単体でも使えますよ(というか、そのほうが使いやすい)。
スウェットパンツですが、センタープレスが入っており、綺麗目な印象(ステッチが入っているので洗濯しても消えません)。
テーパードが効いており、シルエットもダボダボしていない。
こちらも”外し”となるアイテムですが、先ほどのコーデュロイよりも使いやすそう。
スウェットパンツといえども、スラックスぽいデザインになっています。
色は黒とカーキの2種類のみ。
どちらも使いやすい色だと思いますが、より着回しやすいのは黒のほうでしょうね。
最後は「セルビッジレギュラーフィットジーンズ」(¥4,990)。
こちらは毎回やってるアイテムなので省略しますね。
最初に触れたレギュラーフィットジーンズのセルビッジのバージョンです。形もほぼ同じ。
グッズ
最後にグッズのレビューいきましょう。
このカテゴリーもなかなか良いものばかりです。
基本的にバッグや小物はファストファッションに頼らなくてもいいかなとも思うのですが……(物の良し悪しが目立ちやすいし、そこまで数も必要ないし)。
それでも価格が安いぶん、気軽に試すことができるというのは大きなメリット。
「ブロックテックフィールドハット」(¥2,990)も、かぶってみるとけっこう気に入りました。
ハット嫌いの私でも、いいなと思えたアイテム。
個人的な話ですが、ハットってキザな感じがするので苦手なんですよね。
何度か買ったこともあるのですが、結局一度もかぶらないまま売ってしまいました。
しかしそんな私でも、これならほとんど抵抗を感じることなくかぶることができる。
なぜかというとミリタリーハットのデザインを踏襲しているので、全体的に丸みを帯びたシルエットになっており、かっちりしすぎていないからです。
つばもそこそこ広く、小顔に見せてくれるのですが、ちょうどいい具合に下に垂れており、キマりすぎにならない。
デザインもシンプルなので、コーディネートに合わせやすいと思います。
しかもブロックテック仕様なので、機能面でも優秀。
私のように、ハットに抵抗感がある方もぜひ試してみてほしいですね。
「ニットストール」(¥2,990)は、値段のわりに良いアイテムでした。
ざっくり編んだニット素材のストール。
あまり期待していなかったのですが、いざ巻いてみると案に相違してボリュームが出てくれたのでちょっと驚きでした。
3000円ですから、もちろん素材に高級感はありません。
お金を出せるなら、もっと良いものを買ったほうがいいと思う。
しかしこのくらいボリュームが出るなら全然使えるし、アリかなと。
カラーも5色展開されているので、コーディネートの差し色として、普段選ばない色を選んでみるのもいいですね。
前シーズンで好評だった「ドローストリングショルダーバッグ」(¥2,990)は、新カラーを加えて今回も登場。
こちらはコーディネートに組み入れてはじめて真価を発揮するアイテム。
バッグ単体で見るといまひとつピンとこないかもしれませんが、実際に肩にかけてみるとめちゃくちゃ良いですよ。
バッグのデザイン性が加わり、一気にオシャレ感が増します。
巾着のように紐をぎゅっと絞り、それから折りたたむように垂らして使います。
前面に持ってきて、ボリュームのあるアウターと合わせるのが特にオススメ。
もちろんTシャツなどと合わせてもアクセントになってくれます。
荷物もそこそこ入るし、ファスナー付きの内ポケットもある。
コットンポリエステル素材で耐久性にも優れているし、撥水加工も施されています。
そしてなにより、生地が安っぽくない。
しっとりした艶があり、風合いがあります。
これで3000円はすごい。
カラーは黒も悪くないですが、せっかくなのでコーディネートのアクセントになるような色を選んでみては、と個人的には思います。
私は新カラーであるオリーブを購入しました。発色が素晴らしいです。
季節に関係なく使えるバッグなので、さっそく使っています。
最後のアイテムとなるのが、「ポケッタブル2WAYバッグ」(¥1,990)。
こちら実用性という面では良いと思うのですが、ファッションアイテムとしては使えなさそう。
生地感も先ほどのドローストリングショルダーバッグとは比較になりません。
2WAY仕様なので、手持ちもできるし、肩掛けもできます。
またコンパクトに折りたたむことも可能。
便利ではありますが、あくまでエコバッグですね。
以上、ユニクロU2022年秋冬、メンズアイテムの全型レビューでした。
パッしないとか、地味だとか、冒頭では色々と言いましたが……。
こうやって書いてみると、やっぱりユニクロUは無くては困る存在だなと痛感しました(笑)。
これから服を集めるファッション初心者の方にはもちろんですが、すでにある程度服を持っている方にとっても、ありがたい存在だなと。
全身すべてブランド物で揃えられる人はそうそういないですからね。
特別に心惹かれるアイテムはなかったかもしれませんが、ニットやシャツやスウェットなど、このタイミングで買い足しておくと良いかと思います。
さて、これからいよいよ秋冬シーズンが本格的にはじまります。
一緒に楽しんでいきましょう。